私は中小企業のサラリーマンを25年間してきました。
私の父親はサラリーマンとして成功した人で、サラリーマンであるにもかかわらず億の値段がする家を買い、高級外車に乗り毎日のように贅沢な食事を食べていたのです。
父のように出世して取締役や社長にまでのぼりつめると、リーマンであってもこのような勝ち組の生活ができるのだと、子供心に思っていました。
当然父も、私が大手企業に勤め、出世コースをまっしぐらで自分を上回ってくれることを楽しみにした居たんです。
しかしながら私が進学した大学は、三流とも四流ともいわれるような名もない大学で、到底父の学力にも追い付けませんでした。
就職こそはとリベンジを試みましたが、大手企業はことごとく不採用で、中小企業でさえも三流大学の私を採用してくれるようなところはなかったんです。
父は怒ってしまい、優秀な妹ばかりをかわいがるようにもなっていきました。
挙句の果てには、もう実家から出ていけと勘当される形で実家を飛び出したんです。
私の給料とは手取りで15万円前後であり父の月収300万円には到底及びません。
住む家も風呂なし共同トイレの惨状一間のボロアパートしか借りることができませんでした。
いかに私は父の不用のもと、ぜいたくな生活をさせてもらっていたのかと実感せずにはいられません。
しかし厳格な父をあそこまで怒らせてしまっては、二度と実家に戻ることもできないのです。